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ティリチョ・トレック-Tilicho Trek-
世界の屋根・ヒマラヤ山脈はアンナプルナの主要トレッキングルートを離れ、標高4920m世界最高所にある湖ティリチョ湖を目指す。
ジョムソン側から目指す場合ティリチョ湖直前に壁のように立ちはだかる難所、標高5300m程のメソカント峠を超える必要があり、ジョムソン村の標高が2743mなので、メソカント峠までだけでも実に高低差2600mを登る険しい道のり。
ジョムソンの隣村ティニガオンからマナンの隣村カンサールまでは集落が全く無いのでテントや数日分の食料が必要。
地球の歩き方には「このルートはテントが必要」と書かれているだけでそれ以上の情報は無いが、地獄のように過酷。
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2011年8月21日(日)
昨日の星空天気予報通り、早朝の空は晴れ渡り、ダウラギリやニルギリ、ティリチョピークが綺麗に朝日に照らされていた。
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僕は写真を撮ったりテントを畳んでパッキングするのに大忙しだ
ネパール人3人のトレッカーはとっくの間に出発し、僕も7時半頃出発した。
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小屋を出てすぐに小さいが激しい濁流を飛び越えなければいけない。
カメラは万が一のことを考え、カトマンズで購入しておいた防水バッグに入れる。
バックパックを背負って跳ぶのはきついが、第一の難関突破
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あとは昨日下見しておいた道なのでお花畑までは問題ない。
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第二の難関はその後現れた。
一歩間違えれば谷の底へまっ逆さまの、細い道

ここですでに「こんな道が本当に登山道なのか」と山の中で一人不満を叫んだ
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そうして最大の難関であるメソカント峠
壁のように立ちはだかるその瓦礫の山の手前には草原が広がり、牛が群れを成していた。
かわいい仔牛が僕を追いかけてきたりしたが、あいにく僕はそれどころではない。
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メソカントの瓦礫の山は目の前にあるし、メソカント峠がどこにあるか、ティニ村のカルナ・タカリ氏に写真で見せてもらっていたからわかるのだが、そこに至る道が非常にわかりづらい
「Tilicho Lake」と書かれた案内板の指し示す方向には殆ど垂直の急勾配に伸びる道らしきものが見えたが結論から言うとそれは道ではなく、恐らく雨が降った時に小さな川となったものの跡だと思うが、僕は馬鹿正直にそれを登り、更には岩壁を2、3、超えてロッククライミングしてしまった。
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2時間もの時間と貴重な体力を無駄にしてしまった
「Tilicho Lake」と書かれたもう一つの案内板を発見し、それに向かって一直線に斜面を滑り降りる。
ズボンがズタボロ
になってしまった。
先に出発したネパール人トレッカー3人組が降りてきて、僕は正確な道を教えてもらい、杖まで頂いた。
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すでにティリチョ湖を見た3人は興奮気味だったが、僕は今すぐにでも全て止めてしまいたい気分だった。
壁を登るようなその道
は10歩も歩けば息が切れて、その度に立ち止まって息を整えなければならなかった。
男30歳の挑戦…
やるぞ、俺は!

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…と僕はこの時気合に満ち溢れていたわけではない
止めたい。止めにしたい。
とそんな情けないことばかり考えていた。
僕の山の経験は、富士山登頂、富士山山頂山小屋で1ヶ月半アルバイト、屋久島縦走、韓国最高峰漢拏山(ハルラサン)登頂、あとタイのチェンマイでトレッキング経験ありと、そこそこの自信はあったのだが、今回のトレッキングでその自信は脆くも崩れ去った
ヒマラヤ山脈の、その山は今までの山とは何もかも桁違いだった。
なぜ僕はこんなところにいるんだろう?
なぜ僕はこんなことをしているんだろう?
止めてしまいたい…。

とは言え、これはテレビゲームのようにリセットボタンを押していつでも止められるものではない。
やめるにしても、今まで来た道を戻らなければならないのだ
同じ道を戻るのは嫌いな男だ。
そうなると前に進むしか無くなる。
こんなところ、二度と来ないぞ!
僕はこの時本気でそう思った。
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それにしてもネパール人に譲り受けたは最早必要不可欠な存在となった。
もうすぐ峠の頂上だ…。
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朝7時半ごろ出発し、メンソカント・ラの真下に到着したのが11時頃。
道を間違えて13時に再び登り始め、メソカント峠に達したのは15時になっていた。
メソカント峠は単なる難所ではなく、世界最高所のティリチョ湖を見渡す絶好のビューポイントでもあった
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急いで写真を撮り、考えた
これからのことを。
戻るのならば、全く持って問題ない。
しかし、湖を近くで見たい
だがそれは危険な賭けだ
どこに泊まる?
僕のテントは雨を簡単に浸水させてしまうタイで1500円で買った安物だ。
もし屋根の無いところでテントを張って、万が一大雨に降られたら、僕のテントは一たまりも無い。
すぐにテント内に浸水し、4920mのティリチョ湖の夜がどれだけ冷えるのか想像も付かない。
下手な場所でキャンプをして、雨に加えて風が吹けば体温も下がり、そうなれば恐らく死んでしまうだろう。
湖の反対側まで行けば、ホテルかあるという噂だ。
天気もいまのところは大丈夫そうだ。
そこまで行けば、いくら払ってでもホテルに泊まらせてもらうか、営業して無くても何かしら屋根のようなものはあるだろうと思って、急いで湖へと続く斜面を駆け下りた
因みに結論から言えばそれはホテルではなくレストランであり、営業もしてなければ屋根も無かった。
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、という言葉は僕の頭から離れず、僕はドキドキしていた。
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湖畔にはカルナ・タカリ氏の言っていた通り、湖へ注ぐ清流があったが、喉の渇きを堪えてまずは写真を撮った。
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そのついでに、雨よけの屋根代わりになりそうな巨大な岩石を発見し、そこで野営することにした
今は動いているから体が温まっているけれど、日が沈めば一気に寒くなるから、僕はすぐに服をありったけ着た
そして生のインスタントラーメンをぼりぼり食べながら、テントの準備。
テントは張らずに潰したまま
眠ることにした。
その方が隙間が無くなって暖かいんじゃないかと思った。
服をありったけ着込んで、靴下もありったけ履いて、日本の100円均一で買った保温シートにうまいことくるまって、寝袋と潰れたテントに収まる。

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案外寒くなくて、快適に眠れた。
だがもしかすると僕は、ただ運が良かっただけかもしれない
山の天気は変わりやすいものだ。
にでもなっていたらと考えると恐ろしい。
周囲には民家はおろか動物の気配も無い
今考えても、この時の僕は無謀だったと反省する。
でも、美しかった
ヒマラヤ・アンナプルナの明峰、標高7134mティリチョ・ピークの方から、雪崩のような音だけがたまに聞こえて、星が綺麗な夜だった。
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